信仰と向き合える貴重な「道」 サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

★ローマ・エルサレムに並ぶキリスト教三大聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

2013.08.23

 先日、中山道の旧道を経由して帰省する際に立ち寄った木曾で、久々に美しい天の川を見ることができました。

 また、旧街道の宿場である馬籠宿や妻籠宿では、リュックを背負って巡礼者のごとく歩いている多くの外国人に遭遇して、フランス映画「銀河(天の川)」を思い出しました。この映画は神の存在を歴史の時間軸で描き、「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道Way of St. James」を銀河(天の川)に例えたものです。

 今年は伊勢神宮の式年遷宮の年に当たることから、江戸時代のお蔭参りのごとく東海道・中山道の旧道や伊勢路を歩いて伊勢にお参りする外国人も増えているそうです。そこで、今回は世界でも珍しい道の世界遺産、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」をご紹介します。

 伝説によれば、イエスの十二使徒の一人ヤコブがエルサレムで殉教した後、その遺骸はガリシアまで運ばれて埋葬されました。9世紀初頭、星の光に導かれた司教と信者がその聖ヤコブの墓を発見。これを記念して墓の上に今日の大聖堂が建てられたといわれています。

 11世紀から12世紀にかけては、中世ヨーロッパで盛んであった聖遺物崇拝と当時イベリア半島を支配していたイスラム教徒へのレコンキスタ(国土回復運動)が連動してヨーロッパ中から多くの巡礼者を集め、スペインと外の文化をつなぐ街道となりました。

 ヤコブは当時のキリスト教国の守護聖人と見なされていたため、キリスト教国の諸王は巡礼路の整備や巡礼者の保護に努め、また聖ヤコブにささげるために巡礼路に沿った街には多くの教会や修道院を建立しました。

 今も多くの巡礼者がフランスからピレネー山脈を越えてスペインの巡礼の道を歩いていますが、道沿いには11世紀の礼拝堂を修復した宿泊所も残っており、中世さながらに足を水で清め、旅の無事を祈る「洗足の儀式」が行われ、食事も提供されています。これらは巡礼を支える人々の奉仕で成り立っており、巡礼の道を歩き続ける時間は巡礼者にとって信仰と向き合う貴重な時間となっています。

 サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂は、ロマネスク、ゴシック、バロック、ネオクラシック様式が混在する貴重な教会で10世紀から今日まで巡礼路の終着地として多くの巡礼者を迎えています。熊野古道などの巡礼の旅を経験された方は、このスペインの巡礼路にも挑戦していただきたいと思います。これからの人生に何らかの示唆を与えてくれるでしょう。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。

 

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