近年、ますます脚光を浴びている食材−ショウガ。健康志向の波に乗って、料理やドリンク類、スウィーツなど、さまざまなものに使われるようになりました。老舗食品メーカーの永谷園さんが「永谷園生姜部」を立ち上げるなど、ショウガ入りの健康食品も続々と発売され、大ヒット商品になっています。NHKの情報番組でもショウガブームが特集されたりしていますので、ご存じの方も多いのでは。
とくに若い女性の間では、美容食としての抜群の効果が注目を集めています。チューブ入りおろしショウガや、粉末ショウガを持ち歩いて、食べるものにはなんでもショウガをプラスしている女性が増えているそうです。人気お笑い芸人さんにも、いつも肌身離さずショウガを持ち歩いている人がいると話題になっていました。そのショウガの効能をさらにアップし、持ち運びしやすくしたのが、今回ご紹介する「蒸しショウガ」です。
ショウガには、中国漢方では2つの種類があります。1つは、シンプルにショウガを乾燥させたショウキョウ(生姜)、もう1つは、見た目が黒っぽいカンキョウ(乾姜)です。カンキョウはショウキョウより大きな効能があり、珍重されています。このカンキョウという生薬が「蒸しショウガ」なのです。
さて、この「蒸しショウガ」、誰でも簡単に作ることができるんですよ。作り方は次のとおり。
1.ショウガ(根ショウガ)の汚れを取り、1ミリ厚くらいにスライス。
2.80度に設定したオーブンで1時間加熱。80度に設定できない場合はいちばん近い温度で。
3.ショウガがカラカラに乾燥したら完成。水分が抜けにくい時は天日干しや室内干しをしてみる。
乾燥させたショウガを細かく刻んで瓶に入れておけば、3カ月保存可能です。また、粉末状にすると手軽に持ち歩けますから、ランチでふりかけとして使えば、毎日の食事で簡単に蒸しショウガを摂ることができるんです。
とくに私がオススメしたいのが「蒸しショウガ紅茶」。紅茶1杯につき、小さじ1杯程度の蒸しショウガを入れるだけです。ショウガにも紅茶にもカラダを温める作用があるので効果は抜群。余分な水分を排出するので、すっきり痩せられ、二の腕のタプタプも解消されますよ。
■石原新菜(いしはら・にいな) 1980年6月長崎市生まれ。イシハラクリニック副院長。医学生の頃から、父の石原結實氏とともにメキシコのゲルソン病院、ミュンヘン市民病院の自然療法科、イギリスのブリストル・キャンサー・ヘルプセンターなどを視察し、自然医学の基礎を養う。2006年に帝京大学医学部を卒業後、大学病院での研修医を経て、イシハラクリニックにて漢方薬処方を中心とする診療を行う。とくに蒸しショウガによる温め健康法の免疫力アップに着目する。現在、クリニックでの診察をはじめ、テレビ、雑誌などで活躍中である。2児の母でもある。近著「病気にならない 蒸しショウガ健康法」が好評発売中だ。