遺伝子の束縛を解き放て! 腸内環境次第で“情報”が変化

2013.10.06

 世の中には「遺伝子が決めたことにはあらがえない」と思い込んでいる人が多い。しかし、決してそんなことはない。日々の取り組み次第では、遺伝子情報を覆すことも可能。そして、その過程で大いに力を発揮するのが“腸”なのだ。

 前作『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)が大ヒットした、東京医科歯科大学名誉教授で免疫学者の藤田紘一郎氏。脳が地球上に登場したのは5億年前なのに対し、腸は40億年前から存在する。そして、ほとんどの人が脳を身体の中で最重要臓器として扱うことに疑義を申し立て、実は陰で脳を実行支配しているのも腸である−という驚くべき事実を解き明かし、読者の度肝を抜いた話題の1冊だ。

 その期待の続編が出版された。『遺伝子も腸のいいなり』(藤田紘一郎著、同)。脳だけでなく、遺伝子までもが腸の支配下にあるというのだ。

 人は“遺伝子”という言葉に、絶対服従的な思いを持ちがちだ。寿命の長短もさることながら、がんになるかならないか、あるいは容貌の美醜に至るまで、すべて遺伝子で決められたこと−と考えている。その存在の大きさは、まるで神の如し。

 しかし、著者はそれを否定する。編集を担当した三五館編集部の中野長武氏が、著者に代わって解説する。

 「この本の骨格となるテーマが“エピジェネティクス”(後天的遺伝子制御変化)です。先天的には同じ遺伝子情報を持っていたとしても、後天的な環境因子でゲノムが修飾され、個体レベルの形質が異なってくるという考え方。つまり、自分の生きている環境を変えることで遺伝子情報も変えられる−というわけで、その時に大きな役割を果たすのが“腸”ということなのです」

 少し前に話題になったことで、著者が憤っていることがある。米女優のアンジェリーナ・ジョリー(38)が、遺伝的に乳がんのリスクが高いことを理由に、予防的に乳房を切除した一件だ。

 「著者も遺伝子のリスクを完全否定しているわけではありません。しかし、遺伝子の情報が及ぶのはほんのわずかで、日々の生活態度を改めることでリスクを下げることは可能です。なのに、あの話題を取り上げるマスコミの多くが、乳房切除が素晴らしいニュースであるかのように報じた。本書ではそうした世間の誤解にも警鐘を鳴らしています」(中野氏)

 では、どのようにすれば腸を鍛え、遺伝子による負の情報に打ち勝つことができるのだろう。

 別掲の「腸思考法」を参考にされたい。いずれも物事を“アタマ”ではなく“腸”で考える上で役立つ取り組み。これらを実践することで腸内環境を正常化させ、遺伝子を言いなりにさせることが可能だと著者は言う。

 例えば(4)の「腸が嫌がる食品は食べない」を見てみよう。

 ここで著者が注目するのは脂質。植物由来の不飽和脂肪酸に分類される「オメガ3」という多価不飽和脂肪酸の摂取によって、腸にも、さらには脳にも好影響を与えることを最新研究をもとに明らかにする。

 オメガ3を多く含む食品はイワシやサンマなどの青魚、オリーブ油、亜麻仁油、しそ油など。手近なところではクルミやツナ缶もオメガ3の重要な摂取源だ。

 遺伝子に束縛されて生きるほど、ばかばかしいこともない。この本を読んで、長寿のための自由を手に入れるべし。 (竹中秀二)

■藤田式・腸思考法(抜粋)
 (1)固定観念を崩し、逆転の発想をつくる
 (2)失敗した時も、しなやかな考え方を
 (3)食事は楽しい環境で
 (4)腸が嫌がる食品は食べない
 (5)キタナイものにも意味があると考える

 

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