現金を直接受け取りにきてカバンをひったくり逃走 手口が狡猾かつ荒くなる振り込め詐欺

2013.10.08

 振り込め詐欺(母さん助けて詐欺)で金の受け渡しは、これまでATMを通じて振り込ませるのが一般的だった。ところが、警察庁によると今年度の上半期だけで、直接、詐欺犯(受け子)が現金を受け取りにくる形が、8割を超えているという。

 しかし、この手口が多くの人に知られて警戒感が広がると、詐欺犯らは狡猾かつ凶悪な手に出てきている。

 70代の女性は、息子をかたる男から「置引にあい、会社の小切手をなくしたので、お金が必要」と電話で言われ、1000万円ほどを手提げ袋に入れて駅で待っていた。

 その後、携帯電話で待ち合わせ場所を変えられ、最終的に息子の代理という男に人気のない場所に連れ出され、後ろから来た男にお金の入った袋をひったくられている。

 また別の女性は、息子を名乗る男から「会社の書類をなくしたので、損害の埋め合わせをしなければならない」と言われ、600万円の入ったバッグを持ち駅前で待っていると、息子の代理の男が現金を渡すように言ってきた。

 しかし女性が金の受け渡しを拒否すると、男はバッグをひったくり逃走した。その際、女性は転倒し、けがをしている。最近、警察による受け子の逮捕が続いており、その警戒感から待ち合わせ場所を頻繁に変えて、カバンをひったくるなどの荒っぽい手に出ている。

 このほか、現金の受け渡しには宅配や郵送という手も使われる。これまでは私書箱という架空の住所にお金を送らせていたが、最近は振り込め詐欺防止の観点から、郵便物の受け取りを行う業者に対し、身分証明書などを提示させて、本人確認をすることが義務付けられた。

 そのため、私書箱が使いづらくなった詐欺犯らは、架空の業者名で一般の消費者宅に電話をかけ「小包が届くから転送してほしい」と名義貸しをしてくれるように事前に依頼し、その家に騙した金を送るケースも出てきている。

 安易に手数料などがもらえるからと自分の住所を私書箱にすると、知らぬ間に詐欺の片棒をかつぐことにもなりかねない。今後も摘発の目をかいくぐり、用意周到な手でやってくる詐欺には警戒が必要である。

 ■多田文明(ただ・ふみあき) 1965年生まれ。ルポライター。詐欺・悪徳商法を数多く潜入取材。洗脳・カルトにも詳しい。9月に新著「おいしい話に、のってみた “問題商法潜入ルポ”」(扶桑社)刊行。

 

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