「極秘核実験」探知した日本の地震計 (2/2ページ)

2013.11.15

 この地震計が79年9月22日に3回の海中核爆発を記録した。南アの現地時間で午後5時少し前から同5時15分にかけてだった。爆発の規模はマグニチュード(M)3・7から3・1の地震相当、TNT火薬では約3000トン相当のものだった。

 昭和基地から現場までの距離は約2000キロ。このくらいの大きさの地震だったら、十分に記録できる距離である。たとえば米国ネバダ州で80年7月や翌年6月に行われた核実験も、81年9月と12月に旧ソ連南部のカザフスタンで行われた核実験も同じ地震計が記録していた。

 地震計には普通の地震とは違う核実験特有の波形が記録された。記録の特徴から、地下核実験か、大気中の核実験か、それとも海中核実験だったのかもわかる。ネバダとカザフスタンは地下核実験だった。79年の爆発は異様に長い振動が継続したので、明らかに海中爆発の特徴を示していた。

 地震計にとって2000キロは遠くはない。昭和基地からネバダまで1万6000キロ以上、カザフスタンまでは1万4000キロ近くもある。世界中、どこで隠れて核実験をやっても、地震計にだけは検知できるのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。理学博士。東大理学部助手を経て、北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。『直下型地震 どう備えるか』(花伝社)など著書多数。

 

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