日本古来の食と出合う 歴史街道推進協議会

2014.05.02

連載:旅日和


祝戸荘に泊まるなら「万葉あすか葉盛御膳」がおすすめ【拡大】

 神話で始まる伊勢、古代から中世にかけての3つの都、飛鳥、奈良、京都。元禄文化が花開いた商都大阪。そして、明治以降の国際交流を象徴する都市・神戸。これら日本史を代表する各地を結ぶ歴史の旅を推奨する「歴史街道推進協議会」のツアーに参加した。 (板倉あつし)

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 関西地区は国宝の約6割、重要文化財の約5割が集積する歴史文化の宝庫だ。平成3(1991)年に設立された「歴史街道推進協議会」は、伊勢から飛鳥、奈良、京都、大阪、神戸と2000年の歴史をひと筆書きで旅するツアーを企画しており、それぞれの時代を象徴する食事が織り込まれている。

 近鉄宇治山田駅前をスタートした一行は伊勢神宮外宮正式参拝の後、奈良明日香村に向かった。宿泊は国営飛鳥歴史公園内にある唯一の宿「祝戸荘」。古代から飛鳥時代までの書籍がぎっしりとそろうライブラリーで、飛鳥ロマンに思いをはせるひと時も楽しい。

 夕食は藤原京の遺跡から出土した木簡を基に想像を加味して、飛鳥時代の宮廷人、高級官僚の古代食を現代風に再現。地方から税として運ばれてきたであろう、ぜいたくな食材は、カモ肉、アマゴ、ホタテ貝、ウニなど当時の貴族の食事だ。

 「苦い、酸っぱい、甘い、辛い、塩辛い」の味付けがしっかりされた古代食は、須恵器を模した酒器で、にごり酒を味わいつつ楽しむと格別だ。牛乳を長時間煮込んで作った古代のチーズ「蘇(そ)」はキャラメルのような味わい。古代人のしゃれたおやつだったのかもしれない。「万葉あすか葉盛御膳」コース(平日1泊2食2人1室1万390円から)。

 翌朝の飛鳥甘樫丘(あまかしのおか)散策の途中で発見したのが多羅葉(たらよう)の葉。葉の裏側に文字を書くと、クッキリと残る。なるほど、これが「はがき」の語源だったと気づかされた。

 次に訪れたのはご存じ、東大寺奈良の大仏さん。圧倒的な存在感がある。鎌倉時代に作られた大仏の台座に描かれた仏教界は細かく線引きされ、その最下位は金輪際、最上位は有頂天。仏教用語とは知らずに使っていた言葉との出合いも歴史街道の旅ならでは。

 東大寺に続いて妙心寺を拝見し、妙心寺御用達、ミシュランの一つ星を精進料理で初めて獲得した「阿じろ」本店へ。供されたコース(5000円から、要予約)は木皿、汁、平(皿)、飯、練物、煮物、焼物、揚物、香物、水物と40以上の素材で構成され、出汁(だし)を含めてすべてを植物性材料で仕立てている。食事の最後にいただく、ご飯のオコゲが入ったお茶代わりの湯桶(ゆとう)が香ばしく、食材を大切にする心がしみる。

 「(1)旬の食材を使うこと(2)材料を生かしきること(3)念をいれること」をモットーとした料理は見た目、味、ボリュームともに満足感の高い、京都を代表する世界に誇れる逸品であることを再認識した。

 【問い合わせ】「歴史街道推進協議会」、国営飛鳥歴史公園内「祝戸荘」、精進料理「阿じろ」でWEB検索

 

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