実質賃金低下は問題なのか 賃上げ本格化はこれからだ (2/2ページ)

2014.06.14

 実質雇用者報酬は、実質賃金と就業者数を掛け合わせたものであるから、経済全体としてみれば、実質賃金の低下は、就業者数の増加によって補われている形だ。このため今の時点で見ても、まったく問題はない。

 実質賃金の低下を問題視する人は、新たに就業者が増えていることをどう思っているのだろうか。実質賃金が低下したといっても、統計上の話にすぎない。新たに就業者になった人の賃金が低いため、平均でみた実質賃金が下がったのであり、これまで就業者であった人の賃金が下げられているわけでない。

 では、これからどうなるのだろうか。4月の失業率は3・6%とここ10年間で最も低い数字だ。かなり完全雇用の状態に近づいている。人手不足は、建設など特定の業界から産業全体へと広がっている。ということは、これから賃金の上昇圧力が高まっていくに違いない。

 かつて本コラムで、賃金上昇は非正規雇用を中心として時間外手当等から始まると書いた。これがいよいよ正規雇用にまで広がっている状況だ。今春闘ではベースアップを実施する企業が増えたが、それが中小企業にまで広がっていくだろう。

 懸念材料は、消費税増税による景気後退であるが、これまでのところ金融緩和によって実質金利と実質賃金が下がり、実質GDPが増加し、就業者数も増加したのは、事前に想定した効果が想定通りに出ているといえるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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