大江健三郎氏も登場 祝!「九条の会」10周年講演会 ”神学論”の奥にのぞく底力 (3/4ページ)

2014.06.23


 原稿を片手に演説する大江健三郎氏 =6月10日、渋谷公会堂【拡大】

■「自衛隊は憲法違反」

 ここで10分間の休憩が入った。昨今の国際情勢をふまえて、九条の会としてどう日本の安全を確保すべきと考えているのか、もう少しリアリティーのある話を聞きたいものだと思えてくる。そういえば先日、田原総一朗氏の「リアリティがない朝日新聞や毎日新聞、それでも存在意義があるこれだけの理由」との記事を紹介したが、これを受けてニュースサイト「J−CASTニュース」が「朝日新聞や毎日新聞、存在意義はあると思う?」との読者アンケートを実施していた。20日正午現在の結果をみると約5800人が回答しており、選択肢ごとでは「(存在意義は)ない。偏向しすぎで社会にとって有害」が最多の63%。以下「ある。言論には多様性が必要」が16%▽「ない。別になくても困らない」が14%▽「ある。産経よりも取材力がある」が5%−と続いている。新聞が読者にどうみられているかが垣間見える結果で興味深い。存在意義のある新聞であり続けられるよう筆者も微力を尽くすことを、改めてここに誓う。

 閑話休題。元内閣法制局長官の阪田雅裕氏によるビデオメッセージの後、いよいよ大江健三郎氏が登壇した。1年ほど前に大江氏の講演を聞いたときには殺人的につまらなかったので今回も期待はしていなかったのだが意外や意外、大江氏の講演はそれなりに聴衆の笑いをとっていた。前回と何が違ったのだろうかと考えてみると、大江氏は今回、原稿を用意していた。なるほど原稿があれば一応の話はできるのか、と妙に納得させられる。

 大江氏は「こういう大きな集まりではさまざまな専門の人たちと一緒ですから、私はいつも『小説を書いている大江です』と自己紹介してきました。ところが私は昨年の暮れに小説を書くことを締めくくりました。そこで『小説を書いている…』とはいえませんから、どういういい方(自己紹介)をしようかと気にかけていましたが、しかし今ここに来て、自分に得心できたのであります。それは『九条の会の大江です』(拍手)」と自己紹介した。

 そして大江氏は10年前に評論家の加藤周一氏に誘われて「九条の会」呼びかけ人になった経緯を振り返り、加藤氏の文章を引用しながら話を進めていった。大江氏の話を聞いていると、集団的自衛権の行使容認には反対の立場だということはわかるものの、全体的に意図をつかみにくい講演だった。大江氏発言について知りたい方は6月11日付の朝日、毎日、東京新聞朝刊でどうぞ。

 続いて憲法学者の奥平康弘・東大名誉教授の講演があったが、省略。この日、参加した呼びかけ人で最後に登場したのが、ノンフィクション作家の澤地久枝氏だった。「この憲法はいろんなことをいわれますけれど、私は一歩も退かないでこの憲法を守りたい、憲法の原点に戻りたいと思います」「集団的自衛権がどうのこうのといっていますけれど、そんな言葉が憲法のどこにあるんでしょうか」と、澤地氏の舌鋒は鋭い。

 

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