集団的自衛権に反対する朝日新聞の異様な紙面

2014.07.04

★(4)

 日本政府は1日、これまで「保有するが行使できない」としてきた集団的自衛権を、限定的ではあるが行使可能にすべく、政府解釈を変更する閣議決定を行った。これに関する一部の報道は常軌を逸している。

 集団的自衛権の行使を可能にする理由は、端的に言えば、露骨な領土拡張欲を示し、海洋進出している中国に対する抑止力の確保だ。国連平和維持活動(PKO)や朝鮮半島有事への対応もあるが、主軸は中国への対応策にあると考えてよい。

 来年2015年は、日本では終戦70周年だが、中国では抗日戦争勝利70周年、同時に「第1列島線」突破の目標年だ。ベトナムと攻防を続ける南シナ海は第1列島線の内側に当たる。沖縄県・尖閣諸島も内側だ。中国の尖閣侵略は現実味を増している。その中で、日米同盟を強化すべく集団的自衛権の行使を可能にするということだ。

 これまでの解釈では、日本の自衛艦は、共同対処する米艦が攻撃されても指をくわえて見ているしかない。今後は日米が手を組んで対応できるようになる。これが中国への抑止力になるのだ。

 だが、一部メディアや政治勢力は、「国民の敵」を中国ではなく、安倍晋三首相に設定する。「戦争をしようとしている」「徴兵制を導入しようとしている」などと、国民の恐怖をあおる。

 私は昨日の同欄で、都議会の「セクハラやじ」が大きく取り上げられた背景について、直前に公表された「河野洋平官房長官談話」の検証結果から国民の目をそらせるため「別の敵」を設定したように感じると指摘した。既視感を覚えるのは私だけではないだろう。

 朝日新聞の2日付の紙面は、異様の一言に尽きる。

 昨年11月から12月にかけての特定秘密保護法制定時には、社会面の異様さが目立ったが、今回は政治面も「危険はらむ軍事優先」「ねじ曲げられた憲法解釈」の大見出しを掲げていた。

 1面では編集委員が「国会に諮ることも、国民の意思を改めて問うこともなく、海外での武力行使に道が開かれた」と書きながら、社説は「閣議決定がされても、自衛隊法はじめ関連法の改正や新たな法制定がない限り、自衛隊に新たな任務を課すことはできない」と書いていた。矛盾も甚だしい。

 マイケル・グリーン元米国家安全保障会議アジア上級部長は6月1、2両日に来日した際、「東アジアで集団的自衛権を認めないのは、中国共産党と日本共産党、社民党だけだ」と、自民党議員に語ったという(産経新聞6月14日)。日本の一部メディアも仲間と考えてよいのではないか。

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、麗澤大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。

 

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