32年を経て大誤報を認めた慰安婦報道問題をめぐって、朝日新聞が大迷走を続けている。「慰安婦報道を謝罪すべきだ」と書いたジャーナリストの池上彰氏(64)のコラム掲載を見送った対応を社内外から批判され、一転掲載し、1面で謝罪。追及キャンペーンを展開する週刊誌の新聞広告をめぐっても、対応を二転三転させている。慰安婦報道を謝罪しない強硬姿勢が次々と“失敗”に終わる朝日。専門家からも「崩壊は進行している」と厳しい意見が飛び出した。
朝日新聞は4日、いったん見送った池上氏のコラム「新聞ななめ読み」を掲載した。池上氏はコラムで慰安婦報道を検証し、《過ちを訂正するなら、謝罪もするべきではないか》と指摘。「池上さんや読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをおわびします」とする朝日の謝罪コメントと、朝日が判断の誤りを認めたため、掲載することになったという池上氏のコメントが添えられた。
国民的人気のジャーナリストのコラムを一時掲載拒否するという言論統制ともいえる対応に批判が集中、現場の記者たちからも“反乱”が起きた。朝日新聞が公式に認証するツイッターの実名記者アカウントで、「このニュースを聞いて、はらわたが煮えくりかえる思いでした。極めて残念です(査定に響きませんように…)」(社会部記者)、「良心を持つ記者として、対立する意見を封殺するような行為があったとするなら、許せないということです」(海外支局長)などと、書き込まれた。
4日付の紙面では、先週号では掲載を見送った週刊誌「週刊文春」と「週刊新潮」の新聞広告を、一部黒丸にする形で掲載。「不正」や「捏造」などがNGワードとなり、黒塗りとなった。