小笠原・伊豆諸島(東京)周辺で200隻以上の中国漁船がわが物顔でサンゴを密漁している。目的は密漁だが、背後に中国共産党の影が見え隠れし、日本領海を脅かすのが真のねらいとの指摘もある。その船団に大型の台風20号が接近し、6日にも直撃する見通しだ。台風を避けて日本の領土に上陸する事態も予想され、緊迫した状況が続いている。
中国漁船は3日現在、小笠原諸島周辺に103隻、伊豆諸島周辺に102隻の計205隻が確認され、日本領海内に侵入を繰り返している。
奇しくも大型で強い勢力の台風20号(中心気圧945ヘクトパスカル)が日本の南海上を北上中で、6日には両諸島に接近する見通し。周辺海域は猛烈な暴風雨と高波に襲われるとみられる。
台風を避けるように中国漁船も南下しつつあり、小笠原諸島の領海内を航行する船が激増。海上保安庁などによると、10月末と比べて、3日時点で約6倍の59隻に上ったという。
問題を憂慮する太田昭宏国土交通相は、4日の閣議後会見で「台風20号の接近で中国漁船が小笠原諸島に避難してきた場合でも上陸させない」と断言。避難目的での乗組員の上陸を認めない方針を示し、海保は小笠原周辺に大型巡視船や航空機などを投入した。
東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は産経新聞の取材に対し、「乗組員の上陸に備え、島民への注意喚起を徹底するとともに、警視庁から派遣されている機動隊員らと連携して速やかに身柄を確保できる態勢を整えるべきだ」と指摘。点在する無人島にも上陸する可能性があるため、「大型巡視船を周辺に配備し、可能なら自衛隊の投入も検討すべきだ」と話す。