【日本の議論】暴力団“封圧”の陰で暴れ回る「関東連合」OBと「怒羅権」OBの“無軌道”

2014.12.24

 東京・六本木のクラブで一昨年、男性客が襲撃されて死亡した事件を契機に警察の集中取り締まりの対象となった「準暴力団」。六本木の事件を主導した暴走族「関東連合」OBグループや、暴走族「怒羅権(ドラゴン)」のOBらで構成されるチャイニーズドラゴンに代表される準暴力団に、都内の2グループが新たに認定されるなど、今年は警視庁の取り締まりの強化が進んだ年だった。だが、特にチャイニーズドラゴンによる犯罪は一向に後を絶たず、警視庁は摘発を一層強化していく方針という。

■新たに2グループ

 警視庁は3月、「集団で常習的に暴力的不法行為に関与している」として、八王子周辺で活動していた暴走族「打越スペクター」OBと、大田区を拠点としていた暴走族「大田連合」OBの2グループを新たに準暴力団に認定している。

 警察庁は、暴力団のような明確な組織性はないものの、メンバーが集団で常習的に暴力的な不法行為をしているグループ、と準暴力団を定義。警視庁では、東京を中心に活動する関東連合OBグループとチャイニーズドラゴンの2つを、それまで準暴力団とみなしていた。警視庁関係者は「中でもチャイニーズドラゴンは、いくら摘発しても反社会性が衰えない点で悪質だ」と指摘する。

 チャイニーズドラゴンの基となった怒羅権は、中国残留孤児の2、3世を中心に構成されていたことから、チャイニーズドラゴンには中国籍のメンバーが多いのが特徴で、呼称の由来ともなっている。

■粗暴犯と知能犯

 エビ養殖名目の巨額詐欺事件で平成20年に摘発された投資会社「ワールドオーシャンファーム」の被害者に、被害回復を持ちかけて現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁は4月、詐欺未遂容疑で、無職の男(21)=渋谷区=ら11人を逮捕。この大半がチャイニーズドラゴンの関係者だった。港区や豊島区のアジトからは、約7千人分の詐欺被害者らの名簿も発見されたという。

 7月には中国籍のチャイニーズドラゴン関係者の男(54)=板橋区=が、池袋の喫茶店で妻を拳銃で射殺し、殺人未遂容疑(起訴は殺人罪)で逮捕された。架空のアダルトサイトで年齢確認などの項目を4回クリックさせて入会金を請求する「4クリック詐欺」と呼ばれる手口で、約2千人から計約1億8千万円を詐取したチャイニーズドラゴン関係者の男(22)=新宿区=も9月、詐欺容疑で逮捕されている。

 警視庁関係者は「粗暴犯のイメージがある準暴力団は、振り込め詐欺を中心に知能犯にも手を染めている。カネの匂いに敏感な犯罪者集団だ」と語る。

■みかじめ料を要求

 11月には、みかじめ料名目で江東区門前仲町の飲食店経営の女性から現金70万円を脅し取ったとして、警視庁が恐喝の疑いで、中国籍の男(44)=江戸川区=ら4人を逮捕。この男は、複数のグループに分かれているチャイニーズドラゴンのリーダーの一人で、怒羅権の初代総長だった。

 また、3月30日未明に台東区の路上で、クラブ経営者の女性とホステスを取り囲み「あいさつ料を払っていない」と因縁を付けた上で「店をつぶすぞ」などと脅迫したとして、暴力行為法違反の疑いで、チャイニーズドラゴンの関係者3人が11月に逮捕されている。

 警視庁関係者は「暴力団排除条例などの効果で、みかじめ料を取る暴力団が減る中で、今時、みかじめ料を脅し取るような準暴力団というグレーゾーンの取り締まりは、今後の重要課題だ」と話している。

     ◇

 ●準暴力団 東京都港区六本木のクラブ「フラワー」で平成24年9月2日、暴走族「関東連合」OBらのグループが金属バットなどで武装し、飲食店経営の男性客(31)を襲撃して死亡させた事件を契機に、警察庁は25年3月、それまで「半グレ」などと呼ばれていた不良グループを「暴力団に準じる集団」とみなして準暴力団と命名した。警視庁では組織犯罪対策特別捜査隊が主に捜査を担当するが、チャイニーズドラゴンは中国籍のメンバーが多いことなどから、外国人犯罪を担当する組織犯罪対策2課が主に捜査している。

 

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