東方三博士の聖遺物を納めた黄金の棺で有名 世界最大のゴシック式教会ケルン大聖堂

★東方三博士の聖遺物を納めた黄金の棺で有名

2014.12.26

連載:ライフ


クリスマスマーケットが開催されるケルン大聖堂【拡大】

 日本ではクリスマスシーズンになると、街のいたる所にクリスマスツリーが飾られますが、ヨーロッパ、特にイタリアでは、ツリーではなくプレゼピオと呼ばれる「馬小屋飾り」を飾ってクリスマスを祝います。

 プレゼピオはキリスト誕生の場面を表した模型で、馬小屋で聖家族、東方三博士、羊飼いが救世主誕生を祝福している場面が表現されています。

 このキリスト降誕祭と共に登場する「東方三博士(賢王)」は、星の導きで幼子イエスを拝み、乳香、没薬、黄金を贈り物として献げたとされ、彼らの聖遺物がドイツのケルン大聖堂に祀られています。そこで今回はクリスマス・マーケットでにぎわうドイツ・ケルン市のシンボル、ケルン大聖堂をご紹介します。

 このライン河畔に建つ世界最大のゴシック様式の教会は、正式には「聖ペトロとマリア大聖堂Dom St.Peter und Maria」と呼ばれ、高さは157メートルもあり、米国のワシントン記念塔が完成するまでは世界一高い建造物でもありました。

 この大聖堂の中に金色の棺の中に収められた東方三博士の聖遺物が安置されているため、古来より多くの人がこの地を巡礼で訪れるようになったのです。

 現存の大聖堂は3代目で、1248年に着工されましたが、全てが完成したのは1880年、その巨大さには圧倒されます。しかし、単に大きいだけでなく、内部には美しいステンドグラスが飾られており、細部の彫刻もきわめて精密繊細で、人目にふれない個所にも素晴らしい装飾が施されています。

 中でもバイエルン王ルードヴィヒ1世から寄贈された「バイエルンの窓」と呼ばれる5枚のステンドグラスは必見です。

 1996年に世界文化遺産に登録されましたが、周辺の高層建築計画による景観破壊から2004年には危機遺産に指定されました。しかし、大聖堂の周囲に高さ規制を設けるなどケルン市当局の懸命な努力により、2006年には解除されるに至りました。

 南塔の509段の階段を上れば市街を一望できる展望台があり、クリスマスシーズンには大聖堂の裏でマーケットが開催され、上からは多くの赤いテントと大きなクリスマスツリーを見ることができます。

 クリスマス・マーケットの風物詩ホットワインを飲みながらイルミネーション輝くケルン大聖堂を眺めれば、この大聖堂も偉大ですが、この世界遺産を守ろうと努力したケルン市民の気持ちこそが後世に伝えるべき尊い遺産だと思えてきます。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。

 

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