ピケティ氏の理論を都合よく“編集”した言説にはご注意を (2/2ページ)

2015.02.04

 アベノミクスの金融政策は、インフレ目標2%を目指す量的緩和だ。これは米国、英国、カナダ、ユーロ圏で採用されている国際標準の政策だ。これが間違いなら、先進国すべてが間違いになる。ピケティ氏のようなまともな経済学者が、そうしたとんでもないことをいうはずない。

 ピケティ氏の理論の本質とは何か。それは資本主義では格差が広がる傾向があること、特にアングロ・サクソン国で顕著であることを歴史データで示したことである。

 ただ、現在の日本経済の格差はそれほど大きくなく、資本主義の弊害というより、高齢化などで説明できる程度だ。しかも、ピケティ氏が着目する相続税は、日本は他の先進国より高負担だ。

 日本の実情を見る限り、格差は他の先進国ほどひどくないし、格差是正のための税制も完全とはいえないものの、他の先進国よりまともという事実が浮かび上がってくる。

 というわけで、「ピケティ本」は各国事情やデータが満載であるが、素直にみると、先進国間の比較という観点からは、日本の金融政策や格差問題への批判にはちょっと使いにくい本なのだ。

 まともに読まずに我田引水して、金融政策や格差で日本はダメだとか言うと、かなりピント外れになってしまうからご注意を。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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