吉田松陰のヒーロー化されてきた歴史を見直し“実像”を描き出す 津本陽さん (1/3ページ)

★津本陽さん『吉田松陰−異端のリーダー』(角川Oneテーマ21新書 800円+税)

2015.04.05

連載:ブック


津本陽さん【拡大】

 歴史小説界の巨匠が、吉田松蔭の30年足らずの疾風のごとき人生を活写しつつ、未成に終わったがゆえに多くの書き手の想像力をかきたててきたこの人物の、これまであまり注目されてこなかった意外な側面をえぐり出す。松陰とは果たしてどういう人物だったのか。革命家だったのか、教育者だったのか、それとも、ただただまっ正直な青年だったのか…。  (文・清丸惠三郎 写真・蔵賢斗)

 ──以前、『松風の人 吉田松陰とその門下生』を書かれている

 「前作は、7年前に山口県出身のある出版社の社長に依頼されて雑誌に連載し、単行本化したものです。だいたい松陰という人は、ちょっと奇矯で不思議な人だけれども、作家にとっては取り組んでみたくなる魅力を持った人。今回は前作をベースにしながらも、少し違う角度で松陰を書いてみたいなということで筆をとったのです」

 ──松陰の魅力とは

 「何といっても彼の純粋さ。兵学師範の家である叔父さんの吉田家を継ぐことになり、子供ながら儒学の古典や兵書を徹底的に叩き込まれた。殴られたり、け飛ばされたり、尋常ではないスパルタ教育を受けた。そこで受けた激烈な教育の枠に沿って、彼は30歳までまっすぐに歩いた感じがします。そうした純粋性が、高杉晋作など弟子たちの心を揺さぶり、熱情を爆発させる起爆力になったのだと思います」

 ──ともすると、ああいう教育は人格を破壊して勉強嫌いになったり反抗的性格になったりする

 「当時の武家の教育というのは、多かれ少なかれ枠に嵌(は)めてしまうものだったから、松陰もそれを不思議と思わなかったのでしょう。それに松陰なりに、叔父さんの家を継がなければならないという強い義務感があったのだと思います」

 

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