株高に嫌悪感を示す「リベラル」知識人 気の毒な経済知識のなさ (2/2ページ)

2015.06.30

 少し考えてみると、これまでの政権は何をやってきたのかという素朴な疑問がわく。まともなマクロ経済政策をやらずに、無用な失業を生み出してきたのではないか。

 この意味でも、株価が過去の数字を上回るというのは、雇用の創出ができていることとなり、国民にとって喜ばしいことだ。ちなみに、今年4月の失業率は3・3%であったが、1996年12月は3・4%だ。

 こうした株高に対して、「リベラル」といわれる知識人が嫌悪感を示すのは、筆者には理解不可能だ。中には、現在国会で審議中の安全保障法制との関連で、株価を引き上げて、安保法制を国民の目からそらそうとしている−という人までいる。

 この種のレトリックで引き合いに出されるのが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)だ。

 筆者は、もともとGPIFの株式運用について否定的であるが、だからといってGPIFが株価を押し上げているというのは暴論だ。GPIFが株式を買い入れるといっても、実際の購入は多数の信託銀行、生命保険などが行っている。しかも、投資判断・実行は信託銀行、生保に委ねられており、GPIFが株価操縦できる仕組みにはなっていない。

 株高は安保法制の国会審議とは無関係であり、金融緩和など、これまでのマクロ経済政策が良かった結果にほかならない。

 安保法制を批判するリベラル知識人で、株高を素直に喜べない人は、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という心情を示しているに過ぎず、自らの経済知識のなさをさらして気の毒である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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