アボリジニの聖地ウルル=カタ・ジュタ国立公園 「地球のヘソ」の異名を持つエアーズ・ロック

★アボリジニの聖地ウルル=カタ・ジュタ国立公園

2015.07.24

連載:ライフ


一枚岩で真っ赤なエアーズ・ロック【拡大】

 日本標準時の基準となっている東経135度と北緯35度の経緯線が交差する地点は、「日本の中心地点(へそ)」として兵庫県西脇市が観光の目玉にしています。

 私は今回、その「日本へそ公園」を訪ね、「日本のへそ」がここだとして、「世界のへそ」はどこかと思いをはせ、片山恭一氏の「世界の中心で、愛をさけぶ」というベストセラー小説を思い出しました。

 “アキ”なる登場人物がオーストラリアの原住民アボリジニの世界観にひかれ、彼らの神聖なる場所「ウルル(地球のヘソ)」に憧れていたという設定でした。そこで今回は「日本のヘソ」に対して「地球のヘソ」と呼ばれるウルル(エアーズ・ロック)で有名なオーストラリアのウルル=カタ・ジュタ国立公園を紹介します。

 先住民族アボリジニの聖地でもあるウルルは西オーストラリア州にあるマウント・オーガスタに次いで世界で2番目に大きな単一の岩で、「世界の中心」という意味から「地球のヘソ」と呼ばれています。

 形成する砂岩は鉄分を多く含んでおり、外観は赤色を呈しています。日の出から日没までの太陽の当たり方でその色が変化する様は、まるで生き物をみているようです。私は宮崎駿監督の映画「風の谷のナウシカ」に登場した「王蟲(おうむ)」を思い出します。

 一方のカタ・ジュタは「多くの頭」という意味があり、オルガズ(The Olgas)と呼ばれる36の巨石群(礫岩)からなります。こちらは一枚岩のウルルと異なり、重なり合う岩のコントラストが美しく、空気が乾燥しているだけに朝焼けや夕焼けは見事です。

 “アキ”が関心を抱いたアボリジニの世界観は、このような乾燥した砂漠地帯で生き抜くために生まれた彼らの知恵ではないでしょうか。すなわち、食べ物を取り尽くさない、限りある食料を分けて助け合う集団規範などは、この厳しい環境で生きる上で必要な社会システムだと思います。

 「人が土地を所有するのではなく、土地に人が属している。したがって地上に生きる生命は全て一体のものであり、大自然や土地、動物などあらゆるものに精神が宿る」というアボリジニの世界観は、古代日本の森羅万象に神の発現を認める考えに似ているように感じます。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。

 

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