約10年前まで手荒な手口のすりや強盗を繰り返し、日本を震え上がらせた「韓国人武装すり団」。一時はなりを潜めていたようだが、今年6月以降、服役後に帰国していた元メンバーの男2人が日本に再入国し、数十件の窃盗などを繰り返して逮捕された。共犯者がいるとみられ、かつては駅で催涙スプレーをまき散らして20人以上を負傷させるなどの凶暴さを見せていただけに、捜査当局が警戒を強めている。
大阪市西区のショッピングモールで今年5月、買い物用カートに掛けられていた女性のバッグを盗んだとして、大阪府警は6月10日、窃盗容疑で韓国籍の金上煥容疑者(49)と李橿●(=日へんに文)容疑者(54)を逮捕。いずれも窃盗罪で起訴された。
捜査関係者によると、2人は武装すり団の元メンバー。金容疑者は日本での服役を終えて韓国に帰国し、3月に密入国していた。窃盗を繰り返しながら、九州から関西へ移動したとみられ、西日本の少なくとも6府県で発生した数十件の窃盗事件などへの関与をほのめかした。
大阪府河内長野市の郵便局で4月9日に発生した強盗致傷事件も金容疑者らの犯行だった。盗難届が出ている預金通帳を使ってATM(現金自動預払機)から現金を引き出そうとし、声を掛けてきた男性局員にスプレーを吹きかけて車で逃走。男性局員を含む局員や客ら計6人が病院搬送され、目などに軽いけがをした。
通帳は直前に同市内のスーパーで置引されており、防犯カメラには4人組が写っていたため、府警は仲間や関与した人物がいるとみている。