五輪エンブレム撤回に追い詰めた「ネット捜査」の功罪 森元首相に責任論も… (2/2ページ)

2015.09.02


東京都庁では五輪エンブレムのポスターを外す職員の姿が見られた =1日、東京都新宿区【拡大】

 碓井氏は「この人は悪い人となると、何を言っても構わないとリンチのような状況が起きる。リアルな場面では警察が介入して止めることができるが、ネット上ではある方向に動き出すと、止められない怖さがある」と指摘する。

 佐野氏にはもちろん非はあるが、対応が後手に回った運営側の責任はうやむやのままだ。

 「結局、誰に責任があるのか」。1日の大会組織委員会の会見ではたびたび質問が飛んだが、元財務次官で組織委の武藤敏郎事務総長は、「さまざまな人がかかわった。どこか一カ所に責任を負わせるべきではないと思うし適切ではない」と歯切れの悪い回答に終始。「選んだのは審査委員会。状況に対処して新しいものを作っていくのがわれわれの責任」と繰り返した。

 遠藤利明五輪相は2日の衆院文科委員会で、「組織委、審査委員会、デザイナー、三者三様の立場で責任がある」との見解を示した。

 そんな中“戦犯”にあげられているのは、元首相で組織委の森喜朗会長だ。関係者の間では、新国立問題に続き、エンブレムまで白紙撤回することで森氏に恥をかかせられないとの配慮が働いた、とする見方が少なくない。森氏は1日、取材陣に囲まれ「残念な結果になった」と問われると「何が残念なんだ」とムッとした表情で語った。

 森氏の辞任を求める声は高まっており、スポーツ評論家の玉木正之氏は「遅きに失したが、新国立問題に続いて見直しの方向に進むのは評価できる。国家的プロジェクトで問題が相次いだのだから、森氏は責任をとるべきだ」と語る。

 エンブレムのデザインは今後、公募をやり直して選考する。迷走を続ける東京五輪が再び国民の支持を得られる日はくるのか。

 

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