分裂状態にある指定暴力団山口組(篠田建市=通称・司忍=6代目組長)が1日、神戸市灘区の総本部で直系組長を集めて開いた定例会。分裂の動きが明らかになって初めての定例会だったが、同組最大勢力を持つ山健組など13団体の直系組長らは欠席。さらに山口組側の制裁処分も判明するなど分裂は確定した。脱退派は近く「神戸山口組」などとする新組織を結成し、分裂の一因になったとされる「会費」の大幅減額などに踏み切り、山口組側を揺さぶる方針だ。
閑静な住宅街の一角にある総本部の駐車場には1日朝から全国各地のナンバーをつけた高級セダンやワゴン車が出入りし、警察当局の捜査員や報道陣が見守るなか、組関係者が黙々と車の誘導を続けた。
山口組は定例会に先立ち、午前中に最高幹部らで構成する執行部会を開いた。定例会は午後1時から15分ほどで終了したが、警察当局による車のナンバーのチェックなどから山健組や宅見組など13団体の直系組長は欠席していたことが判明した。
また、山口組が関係する暴力団組織に13団体の制裁処分を伝えた「絶縁状」や「破門状」も確認された。文書上の処分日は、分裂が表面化し、山口組が緊急の執行部会を開いた8月27日付だった。
暴力団社会から永久追放する「絶縁」にされたのは、山健組や宅見組の組長ら5人。将来的に復帰する可能性もある「破門」は、毛利組や松下組の組長ら8人だった。定例会の席上、処分の経緯などが説明されたという。
一方、神戸市中央区の山健組の事務所でも捜査員が警戒に当たったが、組幹部が集まった程度で、目立った動きはなかった。
脱退派の定例会欠席と制裁処分の判明で、分裂が確定した山口組。脱退派は約2000人の構成員を持つ山健組が中心になって新組織を結成する方針だが、分裂の一因にもなったとされる「会費」について大幅な減額が検討されている。