ヴァティカン市国 荘厳なるカトリックの総本山サン・ピエトロ大聖堂

★ヴァティカン市国

2015.09.25

連載:ライフ


特別聖年に開かれる扉ポルタ・サンタ【拡大】

 先週、ツアー客を引率してイタリアの世界遺産巡りをしてきました。イタリアは私が初めて訪れた海外の地で、その時に受けた衝撃と感銘はいまなお昨日のことのように鮮明に覚えています。

 イタリアは西ローマ帝国が滅んでからは大小いくつもの国に分裂し、今回訪れたナポリ、アマルフィ、アッシジ、フィレンツェそしてヴェネツィアも以前はそれぞれが独立した国家でした。

 それが1860年代にサルディニア王国のヴィットリオ・エマヌエーレ2世のもとで再統一されたのですが、中世以来ローマを中心に広い面積を占めていた法王領(教皇領)の編入については、これを認めないローマ法王と新しく生まれたイタリア王国との間に気まずい冷戦状態が続きました。

 これを解決したのは独裁者ムソリーニで、彼は1929年にラテラーノ条約を結んで境界線を決めると同時に、法王の法的地位も明確にしました。その結果生まれたのが、ローマ法王を首長とする世界最小の独立国であるヴァティカン市国です。ムソリーニが造ったサン・ピエトロ広場に続く大通りの名前、コンチリアツィオーネは両者の「和解」という意味なのです。

 そこで今回はイタリアの数ある世界遺産の中でも最も重要なヴァティカン市国のサン・ピエトロ大聖堂をご紹介します。荘厳なるカトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂は、聖ペトロ(イタリア語ではピエトロ)の墓の上に建てられた4世紀のバジリカ(集会堂)が起源で、キリスト教徒を味方につけて天下を取ったコンスタンティヌス大帝が寄進したとされています。

 ペトロ(本名はシモン)はラテン語で「岩」を意味しますが、彼は岩のように意思も強く、統率力もあったので、イエスが「あなたは岩、私はこの岩の上に教会を建てよう。あなたに天の国の鍵を授けよう」と後事をペトロに託したのです。以来、「鍵」は使徒ペトロ、そしてペトロの後継者であるローマ法王のシンボルとなったのです。

 重要な人物を「鍵を握る人」と言いますが、ローマ法王はキリスト教の信者のみならず宗教界のリーダーであり、世界平和の鍵を握る存在なのです。

 現法王フランシスコは今年の3月13日に「いつくしみの特別聖年」を開催される旨を発表されました。2015年12月8日、聖ペトロ大聖堂の「聖年の扉(ポルタ・サンタ)」の開門とともに始まるこの儀式では日本国民のためにも真の世界平和を祈念したいと思います。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。

 

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