新年早々、中華人民共和国(PRC)は国際法を無視して、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島に造った人工島の飛行場で、航空機の試験飛行を行った。また最近、沖縄県・尖閣諸島周辺を航行する中国海警局の公船には機関砲の搭載が確認された。
この公船は、中国海軍が保有するフリゲート艦を改造したものだ。PRCは軍艦を海警局の公船にカムフラージュして、尖閣の接続水域に送り込んできた。憲法第9条に手足を縛られた日本への挑発であり、「尖閣を武力で奪う用意がある」という意思表示だろう。
某国立大学の名誉教授は、尖閣諸島を「誰も住んでいない島」と呼び、だから大騒ぎするのは非現実的だとPRCの横暴から目を背ける。自分や仲間の態度を「現実主義」と称し、昨年成立した安全保障法制を今でも批判している。
現実主義を自称する彼らは、PRCの軍事的挑発がエスカレートしている現実を必ず無視する。ウイグルやチベット、内モンゴルでPRCが行った民族虐殺の現実、天安門事件で人民解放軍が学生たちに発砲し、戦車でひき殺した現実、PRCの輸入額が前年比15〜20%も減少している現実も無視するのだろう。
彼らと違い、中国共産党の幹部は「PRCは信用に値しない」という現実を直視する。粛清や経済崩壊に備えて、家族や財産を米国などに避難させている。詐欺グループの一員が仲間割れや逮捕に備えるようなものだ。
日本の親中派の政治家や有識者、経営者らは、このような現実主義を採用せず、見たくない現実は見て見ぬふりをする「ご都合主義」を採る。