【エネルギー政策の現在】復興が少しずつ進む福島浜通り 廃炉作業と町をつなげる「福島給食センター」 (1/2ページ)

2016.03.30

福島給食センターと、東電の石崎副社長
福島給食センターと、東電の石崎副社長【拡大】

★(2)

 東京電力福島第1原発事故の影響は、周辺の浜通り地区(=同県太平洋沿岸)で続く。そこを取材した。3月時点で、原発事故による避難者は約9万人。避難先での定住を選択した人々も多い。

 第1原発の南、20キロ圏内にあった楢葉町では、昨年9月に避難指示が解除された。町の建物は復興支援予算できれいになっていたが、人の気配は少なかった。住民がなかなか戻らないのだ。

 楢葉町の北にあり、避難指示の続く富岡町、大熊町、双葉町、浪江町では、店舗や住宅が草に覆われていた。震災5年を経過しても人が住めない。地域社会が壊れた光景に悲しみを感じた。

 しかし、復興は少しずつ進んでいた。

 大熊町にある「福島給食センター」を訪問した。ここでは第1原発の食堂向けに、1日約3000食の食事をつくっている。東京電力の関連会社などが運営する。約100人の従業員は、ほぼ福島県内の出身者で、うち20人は浜通り地区の人だ。そして、福島産の食材を使う。

 「食を通じて、廃炉作業と地元がつながってほしい」

 東京電力の石崎芳行副社長・福島復興本社代表は、施設を作った意図をこう語った。同社は今後、この給食センターの近くに福島勤務の社員社宅を整備し、町の復興に役立てたいという。

 石崎氏が担当するのは、福島の復興と賠償問題、地元対応などだ。石崎氏はできるだけ時間をつくって、会社の青い制服を着て現地を回っている。社員にも、そうすることを呼びかけている。

 事故直後は胸ぐらをつかまれたり、怒鳴られたりしたが、最近はなくなったという。現在、福島県内で約1800人の東京電力社員が働いている。原発事故で避難を余儀なくされた住民らへの訪問は、延べ22万回。同社の社員は約3万8000人なので、その頻繁な訪問数が分かる。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。