自民・公明と民進・共産の対決の構図は結局、政権運営の評価になる。この意味で、今の政権運営がよければ与党有利、まずければ野党有利という当たり前の話になる。政権運営に敏感に反応する無党派層の動向が選挙結果を握るカギになることもしばしばだ。
与党が政権運営に失敗すると、それを批判する無党派層が投票に行き、与党候補が敗れるという構図が浮かび上がってくる。特に、野党が共闘した場合には、影響が大きく出ることになるだろう。
補選直前にあった熊本地震では、政府の対応も素早かったので、政権運営についてプラスの評価だったはずだ。それにもかかわらず、北海道5区の無党派層のうち3割しか、自民公認候補の和田氏に支持が集まらなかったことは、同党関係者から見ればショックであろう。
それでも、和田氏は前回の町村氏から4448票増やし、池田氏は前回の民主・共産の合計から2681票減らしており、町村氏の“弔い合戦”に臨んだ和田氏に票が流れた面もあるともいえるだろう。
出口調査によると、最重要視された政策課題は景気対策だった。熊本地震の補正予算のほかに、しっかりした景気対策を打たなければ、政権運営の評価は高まらないだろう。5月の伊勢志摩サミット後に本格的な景気対策が出てこない場合、7月の参院選で与党は苦しくなるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)