未知のプレートが生み出す巨大地震 日本海中部地震から33年 (2/2ページ)

2016.06.17

1993年の北海道南西沖地震で、大きな被害を受けた奥尻島
1993年の北海道南西沖地震で、大きな被害を受けた奥尻島【拡大】

 だが、10年後の1993年に、北海道の南西沖で北海道南西沖地震(M7・7)が起きた。

 もしこの地震が起きなかったら、新しい学説は相手にされないままだっただろう。

 このときも大津波が沿岸を襲って、230人もの犠牲者を生んだ。なかでも北海道・奥尻島は津波で壊滅的な被害を受けて、地震による被害は復興したものの、人口は戻らなかった。

 しかしこの2つの地震が南北に並んだ場所で起きたことによって、ここにプレートの境があって海溝型の大地震が起きることがわかった。つまりこの2つ目の地震が「新しい学説」を立証することになったのである。

 いまでは、日本海の東縁、つまり北日本のすぐ沖に南北に延びるプレート境界があることが学説として定着した。

 このプレート境界は地球の歴史では新しくできたものではないかと思われている。つまり約300万年前から作られはじめたものだという。これに比べれば北日本の太平洋岸沖にあるプレート境界は、少なくとも2億年前からあるから、ずっと古い。

 私たち日本人は、つい近年まで、どのプレートの上で暮らしているのか、知らなかったのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『地震と火山の基礎知識−生死を分ける60話』(花伝社)。

 

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