小池百合子元防衛相は、7月6日に開いた東京都知事選の出馬記者会見で、(1)冒頭解散(2)利権追及(3)舛添問題の第三者委員会設置−を打ち出した。中でも度肝を抜いたのが、都議会の冒頭解散だ。
今の制度では、首相には国会の解散権があるが、都知事には都議会の解散権はない。都議会の解散は、都民からのリコール、自主解散、都知事が不信任を受けた際の対抗策の3つしかない。つまり、都知事としてできるのは、都民にリコールをさせること、議会改革で都議会を締め上げること、都知事支持の都議会議員を増やして議会解散への流れを作ることだ。
もちろん、小池氏も都知事に都議会の解散権がないことは承知していると会見で明言した。無理筋を承知で、先手を打つために、意図的に話題になるような言い方をしたのだろう。このあたりは、小泉純一郎元首相が「自民党をぶっ壊せ」と言ったのによく似ている。
そういえば、小池氏が自民党総裁選に立候補したとき、「霞が関をぶっ壊せ」という公約を作っていた。筆者は同名の書物で霞が関改革を論じていたこともあり、霞が関改革の中身を教えてほしいという依頼もあった。
いずれにしても、今回は「都議会をぶっ壊せ」という趣旨で、自民党都連との対決姿勢を出したのだろう。
都知事選は、これまで知名度を生かした「後出し」が有利とされてきたが、小池氏は、本命とされた桜井俊前総務事務次官が不出馬とみるや先手を打ってきた。