巨大地震でダムは凶器と化す 老朽化したダムの耐震性を再点検する必要 (2/2ページ)

2016.07.15

熊本地震によって崩落した黒川第1発電所=熊本県南阿蘇村
熊本地震によって崩落した黒川第1発電所=熊本県南阿蘇村【拡大】

 しかも地震の約1時間後に襲ってきた東日本大震災の津波と違って、ダムの決壊による鉄砲水は、地震後すぐに襲ってくるものだから恐ろしい。

 ダムにも「設計基準」というものがある。1957年に制定され、以後、改訂が続いている。

 だが藤沼ダムは最初の制定前、1949年に完成した古いダムだった。灌漑(かんがい)に使う農業用水のためのもので、土を台形状に固めた「アースフィルダム」である。

 日本には農業用に作られた古いダムも多い。たとえば1854年に起きた巨大地震、安政南海地震でいまの香川県にあった満濃池(まんのういけ)が決壊した。これも高さ15メートルを超す大きなダムだった。安政南海地震は、恐れられている南海トラフ地震の先祖のひとつだ。

 水力発電所にも設計基準がある。通商産業省(現経済産業省)は、1965年に水力発電所の耐震性を定めた技術基準を作った。だが1914年から稼働している黒川第一発電所の貯水槽は、それ以前に作られていたために、適用外とされていた。

 老朽化したダムの耐震性を再点検する必要があろう。地震のときのダムは凶器になるのだ。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『地震と火山の基礎知識−生死を分ける60話』(花伝社)。

 

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