まず、修学旅行に先立つ「事前学習」として、私の赴任校では「ひめゆり学徒隊」の生存者・Kさんの講演が行われました。
そこでKさんは次のように言いました。
〈日本兵は沖縄県民を守りませんでした。自衛隊だって戦争になったら皆さんを守りませんよ。この学校だってどうなるかわかりません〉
一方的な発言ですが、これは序の口です。数年前、教頭として引率した沖縄への修学旅行では、初日に沖縄戦の戦跡を巡りましたが、最初に驚いたのはバスガイドの解説です。
バスが米軍基地の近くを通ると「基地周辺は騒音と米兵の犯罪に苦しんでいる」「普天間基地がなくならず、沖縄県民が犠牲になっている」など、反日・反米発言を繰り返していました。
あまりの偏向に、どこでガイドの内容を学んだか尋ねると、彼女は「バス会社が招いた大学教授や郷土史家から講義を受けた」と答えました。特定思想を持つ“有識者”が若いガイドに一方的な歴史観を吹き込み、彼女たちに代弁させる。そんな構図が見えてきました。
その後訪れたのは、沖縄戦で米軍から激しい攻撃を受け、日本兵と現地住民が一斉に逃げ込んだガマ(避難壕)です。入り口には60代と思しき地元の女性ガイドが待ち構えており、ガマの説明もそこそこに日本兵をこう糾弾しました。
〈日本軍は沖縄の住民が邪魔になり、民家に手榴弾を投げて殺した〉
〈日本軍は中国各地で中国人を殺しまくり、女性を手当たり次第レイプした〉
いずれも史実で確認されていない話です。