緩やかな地点でも起きる岩屑なだれ 各地の火山、崩れやすい構造 (2/2ページ)

2016.07.29

岩屑なだれによって5人が犠牲になった南阿蘇村の高野台団地
岩屑なだれによって5人が犠牲になった南阿蘇村の高野台団地【拡大】

 この斜面が作られたのは約3000年前である。だが、そのときに富士山が噴火した証拠はない。つまり富士山の噴火ではなくて、地震によってこの岩屑なだれが起きたのではないかと考えられている。いままで富士山では、不確かなものも含めて12回も岩屑なだれが起きたことが知られている。

 箱根でも大規模な岩屑なだれが起きたことがある。約3500年前、大規模な岩屑なだれや火砕流が出て箱根の外輪山の内側を埋めつくした。いまは平坦で湿原やゴルフ場が広がっている仙石原(せんごくばら)を作り、川をせき止めて芦ノ湖も作った。この岩屑なだれは外輪山の西側にある長尾峠を越えて外輪山の外側にまで流れ出した。

 御殿場や仙石原の岩屑なだれは、富士山と箱根の周辺で起きたなかで最後のものだ。

 富士山西側の大沢崩れでは、いつも崩壊が続いている。このように、富士山をはじめ各地の火山ははとても崩れやすい構造なのだ。

 これからも、どこかが崩壊して、たとえ緩斜面でも岩屑なだれが駆け下る可能性がないとは決して言えないのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『地震と火山の基礎知識−生死を分ける60話』(花伝社)。

 

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