民進党代表選の候補のうち、蓮舫氏の経済政策について、アベノミクスに及ばないことを本コラムで書いた。前原誠司氏と玉木雄一郎氏を含む3人の経済政策に違いはあるのだろうか。
3人の過去の言動からみると、いずれも安倍晋三政権と比べて緊縮財政と金融引き締め路線だといえる。緊縮財政と言わざるを得ないのは、3人とも10%への消費増税に賛成であるからだ。3人は安倍政権の金融緩和についても批判的で、金融引き締め指向だとみられる。
この3人ともに、旧民主党時代のマクロ経済政策とほぼ同じであり、どうして安倍政権に負けて政権交代になったのか、まったく勉強していないと言わざるをえない。
すべての政治家がひとつだけ覚えておくべきことは、デフレ脱却まで緊縮財政と金融引き締めはやってはいけないということだ。デフレから脱却しないと、雇用の確保も財政再建もおぼつかない。3人の意見を聞いていると、雇用の確保を無視し、財政再建を追い求めているが、肝心のデフレ脱却ができないので、雇用の確保も財政再建もできないという未来しか見えてこない。
安倍政権がまともなのは、金融緩和を継続していることだ。積極財政は2014年の消費増税で一時失敗したが、その後の再増税局面では過ちを繰り返さなかった。それらの結果、国内総生産(GDP)成長率はいま一歩であるが、失業率や倒産は史上最低水準となっている。