これが本当の「貧困」だ! 女子高生バッシングで分かった日本社会の闇 大内裕和(中京大学教授) (2/4ページ)

2016.09.11

女子高生バッシングで分かった日本社会の闇
女子高生バッシングで分かった日本社会の闇【拡大】

 相対的貧困とは、仕事はあるものの非正規で低賃金であるために希望している結婚や出産ができなかったり、普段食べることはできても学費が払えないために大学や専門学校への進学をあきらめるなどのことを指します。一見、普通の生活をしているように見えても、その社会での標準的な生活ができていなければ、貧困であると見なすのです。

 2015年度の大学・短大進学率は56・5%、専門学校進学率は22・4%ですから、合わせて高校卒業後に78・9%が進学しています。アルバイトで働くシングルマザーの子どもで、同世代の約8割が可能となっている進学をあきらめなければならないのは、相対的貧困に当てはまる可能性が極めて高いといえるでしょう。

 また、集団への同調圧力が一人ひとりに過剰にかかっているのが、日本社会の特徴です。経済的に貧しい人々にとってそれは、無理をしてでも「中流」生活に自己を適合させる行動様式を生み出します。スマホ所有や趣味、消費行動などを周囲に合わせなければ、自分が排除される危険性があるからです。「中流」への同調圧力が強ければ強いほど、相対的貧困は見えにくくなります。

 この相対的貧困について、「一億総中流」幻想も災いして日本社会の認識は極めて不十分であり、貧困問題への誤解を生み出しています。相対的貧困は一見分かりにくいものですから、それを捉える側に客観的な事実認識と豊かな想像力が必要です。貧困報道バッシングの多くは客観的な事実認識と想像力を欠いており、相対的貧困への無理解を露呈したものでした。当事者である高校生へのバッシングは卑劣な個人攻撃であり、重大な人権侵害です。

 

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