これが本当の「貧困」だ! 女子高生バッシングで分かった日本社会の闇 大内裕和(中京大学教授) (4/4ページ)

2016.09.11

女子高生バッシングで分かった日本社会の闇
女子高生バッシングで分かった日本社会の闇【拡大】

 貧困高校生報道への多くのバッシングには、「貧困に陥るのはその個人や家族に責任がある」という自己責任論の考え方と、貧困の是正を社会に訴えることへの「いらだち」があらわれているように思います。このいらだちが貧困高校生報道に向けられました。自己責任論に依拠するバッシングは、相対的貧困に苦しむ高校生からの訴えを封じ、貧困報道を委縮させる危険性があります。

 求められているのは相対的貧困への理解を深め、貧困層の増加と中間層の解体を同時に阻止する社会保障の枠組みを提示することです。高度経済成長時代に人々の一定の生活保障の役割を果たしていた、終身雇用と年功序列型賃金を特徴とする日本型雇用がここまで解体した以上、それは必要不可欠な課題です。

 過度な自助努力を強制する新自由主義政策を転換し、所得の再分配政策と社会保障の枠組みを提示することが重要です。それがなければ、人々はますます自己責任論へとからめとられやすくなるでしょう。自己責任論が蔓延し、自助努力がこれまで以上に求められれば、貧困層の増加と中間層の解体・縮小はさらに進みます。それらが進めば民主主義は危機に陥り、経済や社会が衰退することになります。

 今回の貧困高校生報道バッシングから私たちが学ぶべきことは、相対的貧困を認識してその解決を目指していくこと、そして自己責任論の罠に陥らないことだと思います。

■大内裕和 昭和42年、神奈川県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程をへて、中京大学国際教養学部教授。専門は教育学・教育社会学。著書に『日本の奨学金はこれでいいのか!』(あけび書房)、『ブラックバイト』(堀之内出版)、『「全身〇活」時代』(青土社)など。奨学金問題対策全国会議共同代表も務める。(総合オピニオンサイト iRONNA)

 

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