国と成田国際空港会社、千葉県、地元自治体で構成する「四者協議会」が先月27日に開かれ、空港の南東側に長さ3500メートルの第3滑走路を建設することなどの機能強化案が了承された。
また、騒音緩和のための夜間離着陸制限時間を短縮する方針も確認された。現在の午後11時〜午前6時を午前1時〜5時に3時間短縮する予定。今後、国、空港会社は県、地元自治体と騒音などの協議に入り、合意後、具体化に着手する。
成田にはオーストラリア便が最初に着くが、午前6時まで入れない。私がオーストラリアから帰国するときも、時間調整をして飛んでいた。これは本当にもったいない時間だった。
世界の主要空港は例外なく24時間運用されている。成田空港はアジアの主要空港との競争に後れを取っている。国際線の発着枠拡大が進む羽田空港も24時間使え、どんどん滑走路を広げて、4滑走路はアジアでトップだ。東京の上空を飛ぶようになったら、さらに利便性が増すだろう。
ということで、成田は非常に焦っている。しかし、いまごろになって3500メートルの滑走路ができるのなら、これまでの成田空港を巡る騒動は何だったのか。
もともと、成田にするか羽田空港の沖合に拡張するかという案があったとき、某総研の分析で成田のほうが50億円安いということで採用されたという経緯がある。しかし、東京からの移動時間や騒音下に住宅地が多い内陸部に建設することなどを考えたら、50億円の違いなんて、ほとんど無視できるような金額だ。