【田中角栄 不敗の世渡り力】相手の名前をフルネームで呼ぶ 忘れた時の「テクニック」 (2/2ページ)

2016.11.16

田中氏は、相手をフルネームで覚えた
田中氏は、相手をフルネームで覚えた【拡大】

 「ジイサンとは村長のころからの付き合いだった。バアチャンは若いころ、村一番のベッピンさんだったナ」

 そして、続けた。

 「キミの下の前は何だったっけ」

 「三郎ですよ」

 「そうだ、そうだ。渡辺三郎さんだった。確か息子が2人いたな。もう嫁ももらっただろう」

 何ということはない。このとき、田中はフルネームをすべて忘れていたのだが、下の名前だけを忘れたフリをして氏名すべてを引き出してしまったということである。

 あとは両者の距離感が一気に縮まり、改めて田中は、この支持者の気持ちをガッチリ抱え込んでしまったということだった。

 一方、この「田中流」を駆使した人物に、大正時代の総理大臣、原敬(はら・たかし)がいた。田中と同じ「平民宰相」だった。原は選挙の手足となる、自分を支持する県市町村議会の全議員のフルネームを暗記し、ことのほか大事にして、その地位を保持したということだった。

 こうした“妙手”、気配りの神髄と言っていいのではないか。 (敬称略)

 ■小林吉弥(こばやし・きちや) 1941年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。永田町取材46年のベテラン政治評論家。著書に『田中角栄 心をつかむ3分間スピーチ』(ビジネス社)、『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)など多数。

 

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