8代将軍吉宗の将軍就任300年を迎える今年、和歌山市内ではさまざまなイベントが行われている。吉宗のふるさとであり、徳川御3家・紀州55万5000石の居城「和歌山城」を訪ねた。 (プレスマンユニオン理事/温泉ソムリエ・板倉あつし)
最初の訪問はその昔、居眠りをしていてスープを煮立ててしまったら出来上がったという、和歌山ラーメン発祥の店「井出商店」。中華そば700円、ノリ巻150円、早すし150円=写真(1)。早すしはサバのバッテラすしを簡略化した早なれすし。ほんのり魚特有の個性があるので、先に食べてから濃厚スープの中華そばをすすり込むのがおススメだ。
豊臣家から徳川家そして現在に至る和歌山市のシンボル「和歌山城」は、1585年、紀州を平定した羽柴秀吉が弟の秀長に建築を命じた日本3大連立式平山城。江戸時代後期と第2次世界大戦で2度消失しているが、1958年に再建され、日本名城100選に選定。普請された時代によって異なる石垣の積み方(野面積み→打込みはぎ→切り込みはぎ)などに特徴がある。豊臣・浅野時代の石垣には刻印があり、その模様は約170種類=同(2)。驚いたことに墓石やお地蔵さんも石垣に使われた。