「アンネの日記」で知られるユダヤ人少女、アンネ・フランク一家の隠れ家がナチスに見つかったのは、定説となっている密告のためではなく、偶然に行われた別件捜査がきっかけだった可能性も−。オランダの博物館「アンネ・フランクの家」が18日までにこんな新説を発表した。
最近の研究によると、ナチス占領下のアムステルダムで一家が隠れた建物にあった会社で、違法雇用や食糧などの配給券を巡る不正があり、逮捕者も出ていた。ナチスの警察はその捜査のために建物を急襲し「単なる偶然」で隠れ家を見つけた可能性があるという。
密告説についてはさまざまな研究が行われてきたが、密告者はなぞのまま。博物館のレオポルド館長は新説が「密告説を退けるまでのものではない」とする一方、「別の可能性も考慮されるべきだ」と指摘した。
一家は1944年8月にナチスに見つかり、連行された。アンネは45年3月ごろ、ドイツ北部ベルゲン・ベルゼン強制収容所で15歳の若さで病死した。 (共同)
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