最近は「偉大なるアメリカ復活」を標語に掲げる次期アメリカ大統領トランプ氏の報道が多く、各方面で今後の動向が注目されるアメリカですが、今回は大統領が交代しても変わらないアメリカの偉大な自然公園、ヨセミテ国立公園をご紹介します。
アメリカにおける国立公園の理想は「万人に開かれた公園として後世に残す」というもので、「平等」を掲げたアメリカ独立宣言にも通じるといわれています。このヨセミテ国立公園は「ありのままの自然」を残そうと、ヨセミテ渓谷を新大陸における『カテドラル』と命名、神聖にして侵されざるものとして開発と闘った「自然保護の父」ジョン・ミューアの功績によって雄大な景観が残されているのです。
また、この公園は世界自然遺産ですが、ミューアの世界に先駆けて生まれた「国立公園」の発想の原点が、ここヨセミテにあるので、アメリカ文化の側面からするとヨセミテは文化遺産の要素もあると考えられます。実際、時の大統領セオドア・ルーズベルトは母と妻を病気で亡くし、その深い悲しみを救ってくれた自然の力を認め、その自然への思いを同じくするミューアとヨセミテで3日間キャンプして会談、その後はミューアの理想を実現させるべく各地に国立公園を設けたのです。