「ニトリとユニクロ」今後の課題 超正論だった柳井氏「米国から撤退したい」発言

2017.04.10

“巨大企業”になったニトリ(左)と、ユニクロのニューヨーク店(右)
“巨大企業”になったニトリ(左)と、ユニクロのニューヨーク店(右)【拡大】

 家具大手のニトリホールディングスは先月28日、2018年2月期の連結経常利益が前期比14%増の1000億円になりそうだと発表した。都心部への新規出店や客層の拡大などで売り上げが好調に推移した。

 ニトリのような、ある意味、新興の企業が1000億円稼ぐというのはたいしたことだ。トヨタ・クラスになると1兆円、2兆円の利益を出すが、1000億円というのは「成績のいい巨大企業」の仲間入りを果たしたといっていい。大塚家具が苦しんでいる中での快挙。日本の企業史に刻まれる出来事といえる。

 ここから先、ニトリはどうするのか。ベーシックな家具ではかなり伸ばしてきたが、まだ本格的に取り組んでいない領域もある。例えば、カーテン。欧米ではカーテン類は非常に豊富。トルコで欧州向けの立派なカーテンを何種類も生産していて驚いたことがある。この分野に関して日本は弱い。家具はまだまだ奥が深いと思う。

 照明も、欧米では床置きの照明や間接照明などが進んでいる。家電を埋め込んだ家具、パソコンと相性がいい家具なども考えられる。

 似鳥昭雄CEO(最高経営責任者)は、「次のビジネスモデルが必要。アパレル産業などが検討課題」と語っていた。しかし、私はニトリにアパレルは似合わないと思う。ここでアパレルに進出して、ユニクロやしまむらとガチンコ勝負しても、ロクなことはない。その前に、まだやることはあると思う。

 一方、そのユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は先月29日、ドナルド・トランプ米大統領が目指す「国境税」の導入について、「米国の消費者のためにはならない」と述べた。そのうえで、トランプ氏が多くの産業に米国内での生産を求めていることについて、「われわれが直接言われたら米国から撤退したい。米国で商売する意味がなくなる」と語った。柳井さんの言っていることは正しい。超正論だ。

 同じようなことを自動車大手のフォード・モーターが言ったら、バシッとやられ、結局、メキシコでの工場新設をとりやめて米ミシガン州の工場で電気自動車と自動運転車を造ることになった。だが、米国のアパレル・メーカーは、みんな海外で作っている。ユニクロだけがターゲットになることはまずないと思う。

 ユニクロは現在、米国で50店前後展開しているが、名前を浸透させるためには、主要都市の主要な街には必ずユニクロがあるようにしないといけない。アパレルチェーンで世界首位のZARAは、世界で三千数百店も展開している。ZARAやH&Mのやり方は参考になると思う。

 ただ、ユニクロは長い間、米国で展開しているが、なかなか伸びない。すでに何店か閉鎖している。柳井さんにはそのフラストレーションもあったのだろう。私にしてみれば、「よくぞ言ってくれた。ありがとう」という気持ちだが。

 ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

 

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。