北朝鮮のミサイル撤去 専門家「メリットなく疑わしい」

2013.05.07


2010年10月、北の軍事パレードに登場したムスダンとみられるミサイル(共同)【拡大】

 北朝鮮が発射待機状態としていた新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程2500〜4000キロ)を発射場から撤去したことが7日、分かった。格納施設などに戻ったとみられる。4月の米韓合同軍事演習に猛烈に反発した北朝鮮はミサイル発射や核攻撃での全面戦争までチラつかせ、緊張状態が高まっていた。もっとも、専門家は「依然予断を許さない状況」と慎重な姿勢を崩さない。

 緊張状態が続く朝鮮半島情勢が緩和に向かうのか。ロイター通信は6日、複数の米政府当局者の話として、北朝鮮が日本海側に展開していた新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射待機状態を解除し、発射場から撤去したと伝えた。CNNテレビはミサイルが格納施設に移送されたと報道。撤去が事実なら、北朝鮮が発射を当面見送った可能性がある。

 ただ、菅義偉官房長官は7日の記者会見で「政府としては、国民の生命と安全を守るべく万全の態勢を取っている」と述べ、警戒態勢を継続する考えを示した。

 北は4月から韓国で行われていた米韓合同軍事演習に猛烈に反発。核攻撃を持ち出しての全面戦争のほか、「ワシントンを火の海」、米軍施設のある「横須賀、三沢、沖縄」も射程圏などと威嚇していた。それとともに、ムスダン2基を東部元山北方の東韓湾付近に設置し、いつでも発射可能な状況に置いていたほか、スカッドやノドン数発も配備したとされる。

 「金正日総書記の国防委員長就任20年」(4月9日)以降に続く重要な政治日程のなかで「不意打ちで撃つ」(米軍筋)とみられていたことから、日本とグアムに拠点を置く米第7艦隊は、弾道ミサイル防衛能力があるイージス艦を日本海や太平洋に配備。日本の自衛隊、韓国軍とも情報共有し、警戒態勢を敷いていた。

 その米韓軍事演習が4月30日に終了し、また、金正恩第1書記が同29日、李雪主夫人とともに平壌の金日成競技場で男子サッカーの国内チームによる試合を観戦。「ここ数日は張り詰めた空気がやや緩んでいる印象もうかがえた」(韓国筋)という。

 北のミサイル撤去の動きについて、北朝鮮情勢に詳しい「コリア・レポート」編集長の辺真一氏は「正恩氏が発令した発射待機命令が解除されたという情報がないため、ミサイルが撤収されたと認識するには早い。米韓軍事演習が終了しても現在、黄海で米韓両軍の潜水艦の侵入に備えた海上訓練が行われている。米国から好条件を引き出せないまま、ミサイルを引き揚げるのはメリットがなく考えづらい」とみる。油断はできそうにない。

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