【石平のChina Watch】人民日報がうかがわせる最高指導部内の暗闘 習主席と李首相の同床異夢 (1/2ページ)

2013.10.10

 10月1日は中国の「国慶節」、つまり建国記念日だ。人民日報の1面は恒例の祝賀社説を掲載したが、そのタイトルはずばり、「現代中国のために夢の力を結集せよ」である。昨年11月の習近平政権発足以来、習国家主席自ら言い出した「中国夢」というスローガンは今や政権の最大のキャッチフレーズとなっている。習主席自身が日々念仏のように唱えている以外に、全国の宣伝機関を総動員して一大宣伝キャンペーンを行い、国民への浸透を図っている。

 上述の人民日報社説は、まさに「中国夢」の宣伝キャンペーンに沿ったものである。社説は習主席の言葉を引用しながら「中国夢」の「偉大なる歴史的・未来的意義」を熱っぽく語り、「夢」という言葉を連呼してテンションを上げている。「習主席による、習主席のため」の提灯(ちょうちん)論説そのものである。

 だが、同じ1日付の人民日報の2面に掲載されている一通の講話は、それとは趣をまったく異にしている。

 9月30日、中国国務院は国慶節のための祝賀会を催した。そこで祝辞を述べたのは国務院総理(首相)の李克強氏である。翌日の人民日報に掲載された祝辞の全文を読むと、中国政治に敏感な読者なら誰もが、その異様さに気付いたはずであろう。

 前述の人民日報社説とは打って変わって、李首相の祝辞は習主席の「中国夢」に極めて冷淡な態度を示しているからである。習主席自身も祝賀会に出席している中で、李首相がこのキャッチフレーズに触れたのは祝辞の最後の一度だけだ。それは、目の前にいる習主席への最低限の配慮であるにすぎない。祝辞全文を読めば、李首相が注目しているのは社会的不公正の是正など現実的な問題であって、「民族の偉大なる復興」などの壮大なる「夢」にはまったく興味がないことは明白である。

 

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