軍人もいたとはいえ、集まっていた丸腰の男女に爆弾を投げつけたことが「韓国男児の気概を見せ付けた快挙だった」と言うのだから、まさに「呆韓」の極みだ。
それから6年して、『朝鮮日報』(13年11月23日)に、こんな記事が載った。
「ソウル中央地検公安1部は22日、無断で訪朝して北朝鮮を称賛した疑い(国家保安法違反容疑)で、独立運動家・尹奉吉の甥に当たる男(66)を逮捕・起訴した」
記事の末尾に、こうある。
「男はソウル市内の高校・大学を卒業後、中小メディアの記者として活動していたが、1984年ごろに尹奉吉の遺族に対する政府の配慮により、電柱への広告貼付業の独占権を与えられ、十数年にわたり関連企業を運営していた」
実子ではなく甥にまで…韓国政府とはなんと面倒見が良いのだろうか。
『東亜日報』(12年10月28日)には、「日本人は尹義士について学び、彼を抵抗闘争家、独立活動家と評価すべきだ」と主張する“日本人教授”の話が載っていた。あぁ、「呆日」もしなくてはならないのか。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「日韓がタブーにする半島の歴史」(新潮新書)、「悪韓論」(同)などがある。