このところ韓国の新聞には毎月上旬になると「外貨準備高、○カ月連続過去最高を更新」といった見出しの記事が載る。例えば、韓国の通信社である聯合ニュースは2月5日、「韓国の外貨準備高 7カ月連続で過去最高」という記事を配信した。
韓国人は「ウリ(=われわれ)が勝った」と伝えるニュースが何よりも好きだから、「過去最高を更新」は読者に歓迎されるニュースだ。
しかし、大きな疑問がある。1つは、韓国の新聞が外貨準備とはセットである対外債務残高を、このところ全く伝えなくなったことだ。なぜだ。
韓国銀行の資料によれば、2012年末の外貨準備高は3269億ドル(約33兆4500億円)、対外債務残高は4093億ドル(約41兆8800億円)。13年末の外貨準備高は3464億ドル(約35兆4470億円)、同年9月末の対外債務残高は4110億ドル(約42兆576億円)だった(年末値はまだ公表されていない)。
少なくとも、07年以降の韓国は、外貨準備高よりも対外債務残高が多い「純債務国」なのだ。
だからこそ、「反日」と「嫌韓」がともに高まっていた昨年夏、韓国輸出入銀行は、みずほ銀行から、わずか5億ドル(約511億円)の融資を受けて喜んだのだろう。
公表されて記事になる外貨準備高についても、大きな疑問がある。