▽公演回数、実演時間は守られず、時間外手当もない。
▽1日の食事代は2500ウォン(約240円)から4000ウォン(約380円)に上がったが、足りない(ちなみに、京畿道の会社員の平均昼食代金は6212ウォン=約590円=『中央日報』13年3月22日)。抗議すると、コメを支給されたが、それは傷んでいた。
▽契約するときは「テレビとコンピューターが備わった立派な寮を提供する」と言われたが、実際に来てみると、宿舎の窓ガラスは割れていてネズミの巣だった。
▽抗議するたびに、管理者は「どうにもならない」「理事長は韓国で非常に重要な人物だ」と言った。
▽何人かが脱走すると、パスポートを取り上げられた。
この主張通りなら、まさに奴隷の扱いだ。
やはり今年2月、韓国では、心身障害者が離島の塩田労働者として売られ、5年間も奴隷扱いされていたことが明るみに出た。この件について朴槿恵大統領は「事実は小説より奇なり」と驚きを表明し「再発防止」を指示したそうだ。
では、仲間がそろって映画鑑賞に出掛けられ、時に実家に大金を送金できた朝鮮人慰安婦が奴隷だったのか−。
大統領は韓国の国内資料である『慰安所管理人の日記』にでも目を通し、小説(ファンタジー)ではなく、事実を知るべきだ。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「日韓がタブーにする半島の歴史」(新潮新書)、「悪韓論」(同)などがある。