★空の戦い(3)
韓国空軍と北朝鮮空軍を比較すると、「保有する戦闘機の性能やハイテク度など、韓国空軍の力が突出しており勝負にならない」というのが一般的な評価である。
北朝鮮空軍は、作戦機約600機を保有する。「ミグ29」という高性能戦闘機が少しはあるが、多くは「ミグ21」や「ミグ19」「ミグ17」など、朝鮮戦争やベトナム戦争で活躍した旧式機であり、とても現代戦を戦える代物ではない。深刻な燃料不足で訓練は十分に行われておらず、部品不足で可動率も低いという。
だが、手ごわい相手もいる。
「An(アントノフ)2輸送機」という布張りの複葉プロペラ機で、北朝鮮は300機ほど保有している。旧式機という表現を越えた古典機で、最高時速は約250キロ、航続距離は約1000キロ。地上スレスレの超低空を飛行するため対空レーダーに探知されにくく、乗員2人以外に、12人程度を乗せることができる。
つまり、妨害電波や対レーダーミサイルが通用しないローテクの“ステルス機”といえ、いざとなれば一気に3600人もの特殊部隊を韓国領内に送り込める。陸続きの韓国にとって、これは大変な脅威なのだ。
一方、ハイテクで固める韓国空軍はどうか。
主力戦闘機としてF15K(60機)や、F16/KF16戦闘機(164機)、F4E戦闘機(70機)、旧式のF5E戦闘機、早期警戒管制機E737など、作戦機約620機を保有する。