中国企業のミネラルウオーターCMへの韓流スター起用をめぐり、中韓のネット上で“領土”紛争が勃発した。韓国が民族の聖山とみなす「白頭山」を中国名の「長白山」と水源地に表記していたことを、韓国側が「売国的だ」と問題視し、中国側もこの騒動に反発。起用された俳優らは出演辞退を表明したものの、結局、契約続行で妥協した。メディアも火消しに動き、中韓ともに「反日」での強硬一辺倒とは違う“政治的配慮”をのぞかせた。
■中国進出の象徴から一転、バッシングに
騒動を引き起こしたのは、中国の大手企業「恒大グループ」が売り出しているミネラルウオーター「恒大氷泉」だ。韓流ドラマ「星から来たあなた」で恋人役を演じた俳優のキム・スヒョンさんと女優のチョン・ジヒョンさんをCMのイメージキャラクターに起用した。
「星から来たあなた」は、中国では放映されていないにもかかわらず、動画サイトで火がつき、ブームとなった。CM起用が、世界的映画スターのジャッキー・チェンさんの後釜だったこともあり、韓国メディアは、「韓流スターの中国進出」を象徴する話題として、「1年契約でギャラは10億ウォン(約1億円)水準」などと鼻息粗く伝えた。
だが、ネットユーザーが目にとめた商品表示をめぐって、韓国のネットが瞬く間に炎上した。水源地として、「長白山(チャンバイシャン)」と表記されていたのだ。