韓国で「財閥」と呼ばれる大手企業グループが軒並み崩壊危機に瀕している。朴槿恵(パク・クネ)大統領の経済無策もあって、政権発足後、東洋グループなどが破綻、さらに金融当局が警戒する「危ない財閥」は前年の5グループから、今年は14グループに急増した。止まらない為替のウォン高や内需の低迷など外部環境も厳しく、グループ解体か、もしくは破綻かの選択を迫られている。
韓国の財閥の中でも、尻に火がついているのが、製鉄や建設、金融業を手がける東部(トンブ)グループだ。中核企業、東部製鉄の社債借り換えが難航、資金繰りに窮した。グループ企業の製鉄大手ポスコへの売却も頓挫し、絶体絶命となった。
結局、東部製鉄が産業銀行など債権団の共同管理に入って再建を進めることで合意、急場の資金繰りはしのいだとされるが、今後のグループ解体は避けられない。韓国メディアでは「9月危機」の再燃も報じられている。
経営危機に陥っている財閥の特徴は、系列企業が次々と巨額負債に蝕(むしば)まれていることだ。聯合ニュースによると、東部の場合、負債比率が400%(負債額が自己資本の4倍)を超えるなど過剰債務の企業がグループの系列51社中24社と半分弱を占める。また、繊維関連のコーロングループは系列35社中12社が、暁星(ヒョースン)グループでは41社中14社の財務が悪化しているという。
朴政権発足後、昨年5月にはSTXグループが銀行の管理下に入り、10月には東洋グループが破綻したが、債務額が雪だるま式に増えている財閥はなお多い。