世界を呆れさせている大韓航空、趙顕娥(チョ・ヒョナ)前副社長(40)の同機内での大暴れ問題。事態は、いち経営陣の失態では済まされず、運航停止という厳罰の危機に直面することになった。「経営一族の子女で、もとから横暴ぶりで知られていた」(大韓航空関係者)が、趙氏は搭乗前の夕食でワインを数杯飲んでいたという。飲酒も背景にある暴走が、韓国を代表する航空大手の経営にさらなる打撃を与えつつある。
趙氏が、自社機内で客室乗務員のナッツの出し方が間違っていると激怒し、客室サービス責任者を降ろして離陸を遅らせた問題で、韓国国土交通省は16日、航空法に違反したとして、同社に対し運航停止または課徴金の行政処分を検討すると明らかにした。
また、趙氏の乗務員らに対する暴言などが確認されたとして航空保安法違反の疑いで検察に告発すると発表。趙氏は、同法違反や業務妨害などの疑いで捜査しているソウル西部地検に17日に出頭、取り調べを受ける。
朝鮮日報によると、趙氏は国土交通省の事情聴取に「搭乗前に夕食をとったとき、知人たちと一緒にワイン1本をあけ、2杯ほど飲んだ」と供述したという。
ワインが横暴に拍車をかけたとしたら、この代償、かなり高くつきそうだ。聯合ニュースは、問題が起きた米ニューヨーク−韓国・仁川間の路線で最大31日間の運航停止、または21億6000万ウォン(約2億3200万円)の課徴金が検討されていると伝えた。