中国、テロの飛び火警戒 「イスラム国」との戦い、口頭支持にとどまる 

2015.01.29

 【北京=矢板明夫】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件について、中国政府は「人質が安全に釈放されることを望む」(外務省報道官)と立場を表明しつつも、静観する構えだ。国内で新疆独立勢力による大量殺傷事件が頻発している中国は、国内外の過激派の連携を警戒している。中国は一方で、イラクなどに巨大な石油利権を持っているため、「イスラム国」との本格対立を避けたい思惑がある。また、反米の立場から、中国国内で「イスラム国」の主張に理解を示す声も出ている。

 中国公安省は昨年5月から今年1月中旬まで、雲南省や広西チワン族自治区などの国境地域で、ベトナムなどに密出国しようとした800人超の容疑者を拘束した。そのほとんどが新疆ウイグル自治区出身のイスラム教徒だという。中国当局の少数民族・宗教政策に不満を持ち、中東などに逃亡することが目的といわれ、なかには「イスラム国」と合流して「聖戦」に参加しようとした人もいる。

 中国当局が最も警戒しているのは、「イスラム国」でテロなどのノウハウを学び、支援を得た過激派が、再び国内に戻ってきて事件を起こすことだ。

 中国当局が繰り返し強調している「テロと徹底的に戦う姿勢」とは、国境の取り締まりへの強化など国内の問題への対応が中心だ。欧米など国際社会が呼びかけている「イスラム国」との戦いについては、ほとんど口頭による支持にとどまっている。

 また、中国はイラクでは米国以上の石油利権があり、イラクにとって中国は最大の石油の輸出先である。今のところはイスラム国による中国人誘拐や中国が開発する油田の破壊などが起きていないため、中国としてはイスラム国を刺激せず、現状を維持したいのが本音のようだ。

 また、中国の国際関係学者の間で、「イスラム国は米国の高圧的な中東政策に抵抗する弱者たちの連合だ」と主張する人もいる。反米思想は依然として大きな影響力があり、インターネットにも「イスラム国」を支持する書き込みが多い。

 

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