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前回の連載で、朝日新聞が大誤報を認めたことで、日本では慰安婦問題の核心(強制連行)は崩壊したが、米国にはそれが伝わっていないことを報告した。そして、カリフォルニア州の判事がいまだに、「慰安婦=性奴隷」説を信奉していることも述べた。
30年以上も大誤報が放置されたため、反日勢力の工作活動を許し、1996年の国連人権委員会での「クマラスワミ報告」や、2007年の米下院「対日非難決議」につながった。米インテリ層の思考は支配され、法理論上の正しい考察を曇らせ、感情論的な判断を導いたとも考えられる。
こうなると、われわれの課題は、裁判で法理論による戦いを続けると同時に、米国人に「慰安婦は売春婦で雇用されていた」「大金を受け取っており、性奴隷ではない」という歴史的事実を広く伝えることだ。
そこで、私は今年3月、国連で「女性の地位の向上」委員会が開かれるのに合わせて、「テキサス親父」こと、評論家のトニー・マラーノ氏らと、ニューヨークで慰安婦問題についての共同記者会見を開いた。6月には、自著『慰安婦は性奴隷にあらず』(英語版)を出版し、学術的な観点から「慰安婦=性奴隷」説の間違いを指摘する予定だ。
韓国・中国系団体など、反日勢力の抵抗もすさまじい。日本の左派勢力と連携して、国際社会に「慰安婦の真実」が広まることを死に物狂いで妨害している。われわれは、反日勢力が「性奴隷説」を吹聴する会合を開く場合、できるだけ参加して、反論する態勢を取っている。
ただ、民間人の力だけでは限界がある。日本と日本人の名誉を守るためには、やはり日本政府に本気で動いてほしい。