「日本と英国がうらやましい」−。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に近い副首相から、白旗を挙げたような“本音”が飛び出し、韓国国内で波紋が広がっている。自国の経済低迷や改革停滞を嘆き、構造改革の模範例として日本と英国を挙げたものだが、朴政権はいよいよ側近からも見限られ始めたのか。
仰天の指摘をしたのは、崔●(=日の下に火)煥(チェ・ギョンファン)経済副首相兼企画財政相だ。複数の韓国メディアによると、崔氏は16日、就任1年にあたって企画財政部職員に送ったメールに、次のように記したという。
「日本と英国の『駆け足の改革』が実にうらやましい」
「他国は政府と政界が団結して二人三脚走をしているのに対し、韓国の政界は政府が要請した経済活性化法案の処理を先送りしておきながら、代案もなく批判ばかりで、もどかしく思うときもあった」
「経済奇跡を意味する『韓国化』は多くの開発途上国の目標だが、『カメが寝ているほど遅い改革』と意味が変わるのではないかと思い、心配になる」
崔氏は2014年6月、旅客船「セウォル号」沈没事故(同年4月)をめぐる混乱の中、停滞する国政運営を立て直す人事刷新の一環として、現在のポストに起用された。同時に閣僚に就任した6氏は、いずれも朴氏に近い議員や学者らだ。
周辺をイエスマンで固めて求心力を保とうする「朴人事」の典型といえるが、この中でも崔氏は最側近とされる人物だった。